種の浜

奥の細道本文

十六日、空霽たればますほの小貝ひろはんと種の濱に舟を走す。海上七里あり。天屋何某と云もの、破篭小竹筒などこまやかにしたゝめさせ、僕あまた舟にとりのせて、追風時のまに吹着ぬ。濱はわづかなる海士の小家にて侘しき法花寺あり。爰に茶を飲酒をあたゝめて、夕ぐれのわびしさ感に堪たり。

 寂しさや須磨にかちたる濱の秋

 波の間や小貝にまじる萩の塵

其日のあらまし、等栽に筆をとらせて寺に残す。

説明

15日(新暦28日)雨 同 同

16日(新暦29日)晴 色ヶ浜 本隆寺

 色ヶ浜まで、芭蕉は舟でいったとのことで、ルートは作成していません。夏季には船便があるようです。色ヶ浜の本隆寺の本堂よりも手前に開山堂があり、そのまえに本隆寺との標柱があります。私は開山堂が本隆寺と勘違いして本堂まで行き損ねてしまいました。他にも勘違いした人がいるようなので、注意喚起のために、ルート案内に、本隆寺とは別に、本隆寺開山堂の場所を示すようにしました。

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