武隈

奥の細道本文

武隈の松にこそめ覚る心地はすれ。根は土際より二木にわかれて、昔の姿うしなはずとしらる。先能因法師思ひ出、往昔むつのかみにて下りし人、此木を伐て、名取川の橋杭にせられたる事などあればにや。松は此たび跡もなしとは詠たり。代〃あるは伐、あるひは植継などせしと聞に、今将千歳のかたちとゝのほひて、めでたき松のけしきになん侍し。

武隈の松みせ申せ遅桜と挙白と云ものゝ餞別したりければ、

 桜より松は二木を三月越シ

随行日記

一 四日 雨少止。辰ノ尅、白石ヲ立。折ゝ日ノ光見ル。岩沼入口ノ左ノ方ニ竹駒明神ト云有リ。ソノ別當ノ寺ノ後ニ武隈ノ松有。竹がきヲシテ有。ソノ邊、侍やしき也。古市源七殿住所也。

○笠嶋(名取郡之内。)、岩沼・增田之間、左ノ方一里斗有。三ノ輪・笠嶋と村並而有由、行過テ不見。

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説明

4日(新暦20日)雨、後時々晴 仙台 大崎庄左衛門

 岩沼で武隈の松、竹駒明神をみて、笠島を遠くに見ながら奥州街道を仙台へ。

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