しのぶの里

奥の細道本文

あくれば、しのぶもぢ摺の石を尋て忍ぶのさとに行。遥山陰の小里に石半土に埋てあり。里の童部の来りて教ける。昔は此山の上に侍しを往来の人の麦草をあらして此石を試侍をにくみて此谷につき落せば、石の面下ざまにふしたりと云。さもあるべき事にや。

  早苗とる手もとや昔しのぶ摺

随行日記

一 二日 快晴。福嶋ヲ出ル。町ハヅレ十町程過テ、カメアヒ(イガラベ)村ハヅレニ川有。川ヲ不越、右ノ方ヘ七八丁行テ、アブクマ川ヲ船ニテ越ス。岡部ノ渡リト云。ソレヨリ十七八丁、山ノ方ヘ行テ谷アヒニモジズリ石アリ。柵フリテ有。草ノ観音堂有。杉檜六七本有。虎が清水ト云小ク浅キ水有。

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説明

2日(新暦18日)快晴、夕方雨、夜強雨 飯坂

 芭蕉は松川橋のそばまでいって戻ったようだが、岡部の渡しのかわりに文知摺橋をわたって文知摺観音へ。

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