GWを利用して、一気に大峰道を歩いてみることにしました。ハードな山歩きであるのでY氏は辞退で、単独行となりました。
2006年4月29日
朝の4時すぎ起きで阪急、御堂筋線、近鉄と乗り継いで吉野に着く。ケーブルが少しの待ち合わせで乗れた。竹林院のバス停まで8時30分のに間に合わないかと急いで歩いたが数分遅れで、9時のバスになってしまった。
金峰神社前から奥駆の始まりである。旅の無事を祈って拝んで行く。
アルペンガイドの案内に従って、青根ガ峰には登らすに四寸岩山への登り口まで林道を行く。先が長いので体力温存のためにではあるが、後で思えばやり残したようで、残念ではある。
結構な急坂を登って四寸岩山に着いた。
ガイドでは四寸岩山の前にあるはずの足摺の宿をすぎ、百丁茶屋跡から大天井岳を越える尾根道もあるみたいだが、踏み跡のしっかりしてそうな東側の巻き道を行く。大分歩いて五番関に着いた。女人結界門があった。
五番関のすぐ先でも尾根道と巻き道が分かれるが、同様に巻き道を行くがこちらは少しで合流する。しばらく歩いて洞辻茶屋に着いた。
この先、鐘掛岩の方への道はロープでさえぎられ、新しい木の階段の道を上り詰める。 門をくぐり、石碑が並ぶ道にでる。
西の覗きに着いた。覗いてみるがけっこうな迫力である。ケータイ(V-fone)が通じたので順調に登っていることを家に連絡して、Yahooモバイルの天気予報にアクセスする。カメラもこのケータイで済ませてしまっている。便利になったものだ。
宿坊を過ぎ、本堂の前に荷物をおいて、一番高いところまで登った。
少し下って小笹の宿に着いた。小屋は既に満員であるので、近くにテントを張った。北側の尾根まで上がるとケータイが通じる。
夕飯を消毒薬を兼ねて持ってきたポーランド産の96%のウォッカのお湯割りを飲みながら済ませて薄暗くなり始めた頃に寝た。
2006年4月30日
4時に起き、薄暗いうちに歩き始める。雪がところどころに残る気持ちの良い尾根道である。
柏木道との分岐に女人結界門があった。カロリーメイトで朝食を済ます。
脇ノ宿跡を過ぎ、少し行くと普賢岳が見えてくる。
大普賢岳に着く。ここもケータイが通じた。脇ノ宿で出発準備をしていた単独行の人が登ってきたのでシャッターを押してもらう。
鎖場などもあり、変化のある尾根道を行き行者還岳との分岐に出た。頂上には寄らずに進む。
水場があり水を補給し、行者還の宿に着いた。小笹の宿より数段立派だ。
バイケイソウの出ている尾根道をゆく。
弥山がよく見えてきた。大分近くなってきた。
聖宝ノ宿跡からの登りはきつかったが、なんとか弥山についた。41年前にも来たところである。少し休んだだけで、出発した。
歩き始めると指呼の間に八経ガ岳が見える。
ほどなく山頂に着いた。
大分歩くと七面山が見えてきた。
舟ノ垰を過ぎ、楊子の宿に着いた。前鬼から来た熟年4人パーティーと、前後して歩いていた若者の2人組とシャッターを押してもらった単独行の人との8人が泊まり客であった。
夕飯を済ませて、夕日を眺めたあと、昨日同様に早めに寝る。耳栓を持ってきているのですぐ寝付いた。
2006年5月1日
薄暗い中出発。最初はヘッドライトだけで道がわかりにくかったが、だんだん明るくなり道も分かりやすくなる。仏生ガ岳を巻き、尾根道を行く。若者の2人組はスピードがあり追い抜かれる。
鳥の水で水を補給し、孔雀岳の覗に着いた。ここもなかなかの迫力であるし五百羅漢の景色が良い。
五百羅漢の上部である。遠くは釈迦ガ岳か。
鎖場などが続く岩尾根が続く。ぽつんと不動明王の小さな像がある。
最後の急登で釈迦ガ岳に着いた。大きな釈迦の像がある。家内安全を祈った。
長い下りで深仙ノ宿、大日岳を巻き、太古ノ辻に着いた。前鬼へのエスケープルートである。昨日あまり調子のよくない腰と膝の痛みが今日はない。この調子だと本宮までは何とか行けそうである。修行の道で、御加護があったのかもしれない。
岩峰に登り着いた。名前が付けられていたが、ケータイデジカメの写真では読みとれない。
石楠花の林になって、しばらくで石楠花岳に出た。もうしばらくすれば咲くのだろうが今はひとつも咲いていない。
少しで天狗だけに着いた。ケータイデジカメのセルフタイマーを利用してみたが、置き場所が悪くて。斜めになってしまった。
奥守岳に着いた。
嫁越峠である。。
地蔵岳に着いた。ここらあたりから、昨日、シャッターを押してもらった単独行の人と前後しながら歩くこととなる。
般若岳である。
乾光門である。ここもバイケイソウが多い。時期にはヤマビルが多いそうであり、早々に通り過ぎる。
急坂を登って涅槃岳に着いた。
証誠無漏岳である。
阿須加利岳、持経の小屋をすぎる。これはミズナラだが、道沿いには巨木も多い。
平治ノ宿に着く。早めであるが、予定通りに明日に備えてここで泊まることにする。後で追いついてきた単独行の人との二人しか泊まり客はいない。6才ほど若いそうで、京都府にお勤めだそうである。結局本宮まで前後して歩くことになる。
2006年5月2日
4時前に起きて準備を始めると、雨がぽつぽつ降ってきて、そのうちにざーざーと降ってきた。小屋に備え付けのコーヒーを頂いて、明るくなったら雨具を着て出ていかないと駄目かと考えていると、すぐ雨がやんでしまった。小屋の維持のための寄付とコーヒー代あわせて1050円を箱に入れて薄暗い中を出発した。
ゆっくりと登って転法輪岳に着いた。
鎖の着いたガレ場をあがると倶利伽藍岳に着いた。単独行の若者が追いついてきた。昨日は持経ノ宿に泊まったそうだ。
これから登る行仙岳が見えてきた。
急坂を登って行仙岳に着いた。単独行3名がここで一緒であった。ここではケータイが通じたので、久々に家に連絡して、天気予報を仕入れる。若者も玉置神社に今夜の予約をしていた。
行仙小屋を通り過ぎ、しばらく行くと笠捨山が指呼の間に見えてきた。
急な登りを終え、笠捨て山に着いた。平治の小屋で会って、行仙小屋に泊まると言っていた二人組も一緒になる。平治の小屋は行者が結界を張って行をするので、小屋の中でのアルコールは控えた方がよいとか、貴重はアドバイスを頂いたこちらの山にはよく登られている初老の方であった。
岩尾根の鎖場が続きだし、地蔵岳に着いた。ここからもしばらく鎖場が続く。
険しい尾根が終わり、四阿宿跡に着いた。
しばらくで香精山に着いた。
下っていると大きな岩があり貝吹ノ野とある。下りきった鞍部には貝吹金剛の石碑がある。
林道と合流する。ガイドには林道をたどってもよいとの説明もあるが、それほどアップダウンもなく山道をたどるほうが数段良さそうだ。 山道から見える林道沿いにまだ桜が満開であった。
林道と出会ったりを繰り返し、花折塚に着いた。
カツエ坂を登って、玉置山に着いた。ここは見晴らしがよい。
本日の目的地の玉置神社に着いた。お詣りをして、近くにテントを張れるところがないか神官に聞くと、一帯キャンプ禁止だそうだ。しかたがないので、水をペットボトル全部に補給して、歩を進め、林道に出たところで、風下になる林道に、京都府勤めの人のテントに並べてテントを張って寝た。
2006年5月3日
この日も薄暗い内に出発した。薄暗い内は熊と出会う恐怖が倍増する。リュックに付けた鈴が良くなるように荒く歩くことになる。登山中に鈴を鳴らすことは好きではないが熊の出る場所の単独行ではしかたがないとできるだけにぎやかにならす。そうこうするうちに明るくなってきて、大森山に着いた。
しばらく行って五大尊岳に着いた。ガイドには不動明王の像があるとのことであるが石の台座だけである。台風により谷底に落ちてしまったのかもしれない。
蟻の戸渡りとかいう急坂を降り、こんな道を下っていきます。大森山からケータイが繋がる場所が多くなり、家に写メールして無事を知らせる。
金剛多和ノ宿に着いた。
登って大黒天神岳に着いた。
大分降りてきたせいか、咲いている石楠花があったが、咲いていない方がまだ多い。石楠花の季節や紅葉の季節が季節的にはベストかもしれない。熊野川や人家が見え始め、奥駆けの終わりが近いのを感じさせる。
山在峠、吹越峠を過ぎ、七越峰に着いた。長く歩いてきた満足感に浸っている。
下りきって、河原に出た。ガイドには徒渉してもよいとあるので、近道でもあるし靴と靴下を脱いで膝までの水の中を渡った。
渡ったところが大斎原、洪水で流される前の本宮のあったところである。
本宮到着。普通の観光客の中に混じるのは違和感がある。このあと発泡酒を仕入れて味わって請川に向かった。
請川のコンビニで昼飯と発泡酒と夕飯を仕入れて、昼飯と発泡酒は平らげて、小雲取越えに歩を進める。このようなゆるい上り下りのある杉林の道である。踏み跡程度の道も多い奥駆けとは違って立派な道である。
松畑茶屋跡を通り過ぎる。
百間ぐら。
杉林が続きます。
桜茶屋跡です。まだ大分歩いて小口に着いて、酒屋で発泡酒を仕入れて河原でテントを張って寝た。
2006年5月4日
今日は友人のY氏とT氏の誕生日で、飲み会をするというので、間に合わせるために4時に出発する。まだ真っ暗である。
ゆっくり歩いている内に明るくなってくる。こけむした杉林の道である。お地蔵さんも苔むしている。
そうこうするうちに急坂になった。胴切坂の名前が付けられている。長い長い坂であった。やっとの思いで越前峠に着いた。
夜の宴会に間に合うように一生懸命歩く。林道で失われた部分もあるが、石畳とか古道にふさわしい道である。やっと舟見茶屋跡に出た。太平洋も見え、那智が近いのが実感できる。
登立茶屋跡である。
公園を通りすぎ、石段を下りて、那智大社に到着である。
感慨にひたった後、バスで勝浦に出て、スーパーくろしおの客となる。宴会の前にゆっくりシャワーを浴びれる時間に帰り着いた。